欧州当局者は5日、ドナルド・トランプ米大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)改定で圧力を強める戦術を使ったが、欧州連合(EU)との貿易交渉にそうした戦術は通用しないとけん制した。EUはその規模と貿易の実力によって、米国と対等な立場にあると主張した。EUの域内総生産(GDP)は総額15兆4000億ユーロ(約2000兆円)と、米国の19兆4000万ドルに比べさほど変わらず、対EU貿易赤字を削減しようとするトランプ氏の圧力にもほぼ持ちこたえてきた。欧州当局者は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)について、欧州への輸出向けに北米でも生産している欧州の企業に打撃になるとの見方を示している。新たな協定はトランプ氏の対EU交渉アプローチを探る手掛かりになるとみられており、米通商代表部(USTR)のロバート・ライトハイザー代表はNAFTA改定について、米政府の通商政策における「パラダイムシフトのモデル」だと強調した。