NEC本社Photo:Sergey Vladimirov
 
国内電機業界で、富士通や日立製作所などが最高益をたたき出す中、NECの独り負けが続く。経営目標の未達が繰り返されており、社内から“負け癖”がついたことを嘆く声が挙がる。

 「想定以上に既存事業の落ち込みが大きかった」。NECの新野隆社長は1月、中期経営計画の発表時に、実現のめどが立たず、撤回を余儀なくされた前中計についてこう語った。

 新野社長の言う“既存事業”とは、NECの祖業である通信(テレコムキャリア)事業だ。

 近年、NTTなど上顧客の設備投資ニーズが低調で、海外でも価格競争が激しい。2017年度の通信事業の営業利益率は0.4%にとどまった。

 実は、この通信事業の落ち込みが経営を直撃してしまうことこそがNECの苦境を物語っている。