RPAPhoto:PIXTA
RPAを導入し、きちんと機能させるには、押さえておくべき勘所がある。数々の成功や失敗を目にしてきた専門家が、失敗の教訓と成功の鉄則を教える。

 実は、RPAの導入現場で、まずもって足を引っ張るのは、過剰な期待だ。「すぐにでも効果が出るだろう」という誤解は、特に経営幹部層にいまだはびこる。

 RPAは最先端のAI(人工知能)を備えた万能のロボットのごとく、高度なものという誤解も、少なからずある。

 そこまでハイテクではないが、ロボットは律義に、効率的かつ正確に動いてくれる。トライアル導入で、初めて動きを目にした関係者からは、「確かにすごい」と感嘆の声が上がることが多い。

 だが、それを使って経営的な効果を示すのは、そう簡単ではない。「結局、何も変わっていない」という評価になってしまいがちだ。

 理由ははっきりしている。人が絡んでくるからだ。