米フェイスブックは19日、ポリシー・広報担当の責任者にニック・クレッグ元英副首相を起用する人事を発表した。米国のみならず、外国の政府からも厳しい追及を受ける中、シリコンバレー外部からの有力政治家の起用で、相次ぐ不祥事で傷ついた信頼とイメージの回復を目指す。クレッグ氏は22日に就任し、来年1月に生活の拠点をカリフォルニアに移す。クレッグ氏起用の背景には、フェイスブックが厳しい戦いを強いられる欧州連合(EU)の存在がある。EUは、アップルなどの節税対策やアルファベット傘下グーグルの反トラスト行為に制裁を科すなど、過大な影響力を持つと見る米情報技術(IT)大手の封じ込めに動く姿勢を強めている。今春には、個人情報の保護強化に向け「一般データ保護規制(GDPR)」を施行。違反したハイテク企業に制裁金を科す権限を得た。