7月に貿易摩擦の解消で一致した米政府と欧州連合(EU)の貿易交渉担当者らが、素早く成果をあげようと動いている。だが単純に見える対策も数年の時間を要するケースがあり、容易ではない模様だ。ドナルド・トランプ米大統領と欧州委員会のジャンクロード・ユンケル委員長は7月25日、貿易対立を回避し「自動車関連製品以外の分野で関税ゼロ、非関税障壁ゼロ、補助金ゼロを共に目指す」ことに合意した。だが首都ワシントンで23日に開かれる協議を前に、遅延行為などでトランプ氏の忍耐力を試すべきではないとウィルバー・ロス商務長官率いる米国側の関係者は警告している。ロス氏は セシリア・マルムストロム欧州委員(通商担当)と16日に協議を行い、翌17日、トランプ氏が「目に見える成果をもたらす素早い交渉」を求めていると発言。「5カ年計画にするようなものではない」と続けた。