中国は知的財産を大量に盗み、外国企業の権利を踏みにじり、米国との長期的な貿易戦争に備えていると言われる。他国からの投資は減っているはずだ。実際は違う。2018年上半期には、中国は世界の海外直接投資(FDI)対象のトップに立った。国連のリポートによれば対中投資は6%増の700億ドル(約7兆8900億円)と、昨年最大だった対米投資を上回ったのだ。中国側の統計でも1~9月の対中投資は6.4%増と2015年以来の増加ペースだ。投資家は中国の事業環境に関する絶え間ない不満に慣れている。だがそうした対中投資額は、世界貿易が急拡大している時期にあって中国が過去2年と同様に魅力的であることを示す。中国は近年、米国からの投資誘致で苦戦している。だが非米国企業が今も投資していることは、米国が単独で中国の知的財産・ライセンス供与体制の変更を迫るのがいかに難しいプロセスになるかを示す。
トランプ氏、米単独では対中投資封じ切れず
欧亜の協力なしに中国サプライチェーン分断困難
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