航空会社は思いも寄らぬライバルのせいで、燃料費が圧迫される見通しだ。2020年に導入される船舶用燃料に関する世界的な排出規制に対応するため、船主は来年からよりクリーンなディーゼル燃料への切り替えを始めるとみられる。航空会社幹部はこのところ、民間ジェット機用の燃料価格が、船舶の燃料切り替えによって上昇する可能性があると警告している。デルタ航空のポール・ジェイコブソン最高財務責任者(CFO)は今月、原油価格の上昇と遠洋航行船の燃料切り替えは「航空会社にとって悪い材料だ」と述べた。ただ、デルタは製油所を保有しており、それでマイナスの影響が幾分和らぐはずだと付け加えた。製油所で生産される燃料には、ガソリンのほか、ディーゼル燃料やジェット燃料、さらには船舶はじめ多くの産業用途に使われる重油などのカテゴリーがある。マーケティングの慣習上、ジェット燃料価格は通常はディーゼル価格に連動し、1ガロン当たり2、3セント上乗せされることが多い。