高齢化はさまざまな形で経済社会を大きく変えようとしているが、金融システムや銀行もその例外ではない。戦後一貫して当たり前のものとして前提にしてきた金融仲介の在り方は大転換を迫られている。
本論は、戦後、「人生60年時代」の局面で作り上げられた今の金融のインフラが、その後、高齢化に伴い「人生100年時代」を迎えるなか、実態に合わなくなっているとの問題提起である。
それは、今日の銀行の在り方そのものを問うものとなる。
高齢化がもたらす
マネーフローの転換
高齢化は2つの面で、金融システムや銀行のビジネスモデルの転換を迫っている。
第1が、現役世代を対象にした金融・ビジネスから高齢者に向けたサービスへのシフト。
第2は、老後、多様化するライフスタイルに対する対応だ。