一度動き出したら二度と止まることのない「永久機関」は荒唐無稽な概念だ。動力となるエネルギーは必ずどこかから確保しなくてはならない。しかし、周囲の環境からエネルギーを取り込んで超効率的な装置に給電するというアイデアは空想上の話ではない。これを「永久コンピューティング」と呼ぶ人もいる。こうした「環境発電装置」は既に25セント硬貨を3枚重ねたほどの大きさにすることが可能だ。物理の法則上、いずれはどこにでも隠せるほど小型化されるだろう。音や振動、化学物質、光、動きをエネルギー源とし、電力線やバッテリー交換が不要な小型のセンサーを想像してみてほしい。環境発電装置の第一波は、オンボード・コンピューティング・システムと通信範囲最大1キロの無線装置が付いた小型センサーになりそうだ。当初想定されている応用方法は、有線またはバッテリー給電式の装置では既に実現されている。工場や家庭、ウエアラブル機器を「スマート」にするセンサーだ。
極小センサー「スマートダスト」で何が変わるか?
周囲の環境からエネルギー取り込む「永久コンピューティング」が実現間近に
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