ドナルド・トランプ米大統領は2週間後に中国の習近平国家主席とブエノスアイレスで会談する。その際に、市場を覆っている大きな疑問への答えが得られるかもしれない。その疑問とは、トランプ氏が仕掛けた中国との貿易紛争が本当に貿易に関するものなのか、それとも地政学的なライバル意識によるものなのかだ。 投資家にとって、その影響は大きい。もしこれが貿易に関するものならば、合意は可能だ。そして、トランプ氏のこれまでの行動は、その可能性がかなり高いことを示唆している。もしこれが、中国の封じ込めを狙ったものならば、新たな冷戦に向け身構えなければならない。米政権内の対中強硬派は最近、中国封じ込めを前面に押し出す主張を次第に強めている。9日には、その中の1人(訳注:ピーター・ナバロ米国家通商会議=NTC=委員長)が、通商合意を得ようとするウォール街の「グローバリストの億万長者ら」を公然と非難した。一方、スティーブン・ムニューシン米財務長官に代表される通商交渉優先派は、習・トランプ会談の前に事態を進展させようと舞台裏で努力している。
トランプ氏の対中姿勢、貿易紛争か新たな冷戦か
貿易問題なのか地政学的なライバル意識か、G20での判明に期待
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