米IT(情報技術)大手のアマゾン・ドット・コムとアルファベット傘下のグーグルが、ニューヨーク市とワシントン首都圏で数万人を雇用する計画を発表したことは、米国で拡大する都市部と地方の格差を映し出している。数少ない大都市(特に沿岸部に位置する都市)がハイテク人材を吸い上げ、同時により裕福になり、リベラル色を強め、人種の多様化が進むという状況がある。これが経済・政治・文化の面で米国全体に波及する変化を引き起こしている。より小規模な都市にも教育水準の高い労働者は集まってくる。だが最も価値ある職種や最大規模のプロジェクトに関しては大都市に太刀打ちできない。一方、地方は完全に取り残されている。米労働省のデータによると、この10年間に米国の都市部の雇用は7%増加し、企業の数は11%増えた。これに対し、非都市部の雇用は縮小し、企業の数はほぼ横ばいだった。
米IT大手の大都市志向、深まる地方との分断
沿岸部に集中する大手各社、政治指向に影響も
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