東シナ海や南シナ海における活発な海洋活動、特に南シナ海の埋め立てによる軍事基地化、空母の建造と配備、A2AD(接近阻止・領域拒否)戦略の下で西太平洋での米軍の接近を拒む。

 特に近年、シルクロードの復活を目指したOne Belt, One Road(一帯一路)を「Belt and Roadイニシアチブ」と称し、旧シルクロードだけでなく、アジア全域、中東、欧州、アフリカ、中南米までを包含し得るような経済構想を展開する。

 台湾との関係も馬英九国民党政権との蜜月時代から、より独立志向を持つ蔡英文政権とは対立を強め、パナマやエルサルバドルなどには台湾が維持してきた外交関係を断絶させ、中国との外交関係樹立に走らせた。

 そして2015年に発表した「中国製造2025」だ。これは2025年までの製造業発展、さらにそれを踏まえて2049年までに中国を最強の製造大国とする長期計画で、とりわけ先端産業分野の競争力の強化を目標としている。

国際秩序変える
「修正主義勢力」と米国は強硬

 これに対して、米国の行動も強硬となってきた。

 2017年末に発表された米国国家安全保障戦略には、中国が国際秩序を変更する「修正主義勢力」であり米国は力で対抗するという考え方も盛り込まれている。

 極めつけはペンス副大統領が、10月初め、米シンクタンクのハドソン研究所で行った演説に盛られた強烈な対中批判だ。中国はサイバー、投資、留学生などを通じて米国の民主主義に介入をしている「シャープパワー」だとする。

 中国は当初は、「アジアへの回帰」を掲げたオバマ政権から「アメリカファースト」を掲げ、取引的手法で理念や長期戦略を感じさせないトランプ政権をくみしやすいと考えたに違いない。

 トランプ政権が公然とオバマ前大統領の政策を否定し、TPPやパリ協定、イラン核合意からの離脱を決め、米国内法の安全保障条項を使ってアルミ・鉄鋼の関税引き上げなど保護主義的行動に出たことには、国際社会からも批判が強まった。

 そうした状況で、中国は自分たちこそが保護主義に反対して国際協調を推進しているのだと強調。アフリカや中東だけでなく、東南アジアや欧州などにも中国との経済協力関係を強化する国々が増えていった。

 そのような中で、米国が中国と戦端を開いたのが、米中貿易戦争だ。