前回の自動車産業の低迷期には米フォード・モーターが善戦したが、次回はゼネラル・モーターズ(GM)が勝ち組になりそうだ。残念なことに、投資家はGMの先見の明に追いついていないようだ。GMは26日、15%の人員削減などを通じて、向こう3年間で60億ドル(約6800億円)を節減する計画を発表した。この意表を突いた計画に、メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)の積極果敢な経営スタイルがあらためて鮮明になった。GMは電気自動車(EV)と自動運転技術が新しい潮流になる前から、こうした技術に投資していた。このGMの発表は、実は投資家がフォードに望みたいような内容だ。米自動車業界2位のフォードも、1年半前にジム・ハケット氏がCEOに就任してからコスト削減を協議してきたが、進展は遅い。ハケット氏は9月に待望の投資家イベントを中止し、先月には2020年の営業利益率を調整後で8%に改善するという目標が非現実的なものだと認めた。7-9月期(第3四半期)の調整後ベースの営業利益率はフォード・グループが4.4%、GMが8.8%だった。