かつてある企業の救世主だと称賛された元最高経営責任者(CEO)が空港で逮捕された。起訴されずに何日も勾留され、弁護士の同席なしに検察官の尋問を受けている。不正な金融取引の疑いがあるとメディアがリーク情報を流すなか、会社でのポストも解任された。  共産党が支配する中国の話だろうか。いや、資本主義の日本で起きたことだ。日産自動車のカルロス・ゴーン前会長は不可解な取り調べに耐えている。公式に入手できる事実はどうも曖昧だ。この出来事は、日本のデュープロセス(適正な手続き)やコーポレートガバナンス(企業統治)に関心を寄せるどんな人をも悩ませるに違いない。