ドナルド・トランプ氏は2年前、勢いに乗って大統領選に勝利した。多くの人々は米国でのポピュリズム(大衆迎合主義)の新たな波の前触れと受け止めた。しかし現在、ポピュリズムの波の勢いは、一部で予想されていたほど強まってはいない。今年の中間選挙が何らかの手掛かりを示しているとするならば、トランプ氏が2年前に活用したポピュリズムの波は、大きく広がってはいないようだ。実際、移民と自由貿易というポピュリズム、あるいはナショナリズム的思考の度合いを測る上で重要な二つの尺度から判断しても、波が大きく広がったとはとても言えない。ポピュリズムの急激な広がりが、特に保護主義への広範な支持を強化するのではないかと懸念していた産業界にとっては、その後浮かび上がった状況は、安堵感につながるようなものだったかもしれない。