「黄色いベスト」を着た人々によるフランスでの抗議行動は、現在は多くの国内問題に関するものになっている。しかし、その引き金となったのが燃料税の引き上げであることは決して偶然ではない。一般有権者と冷淡な政治家との乖離(かいり)を最も明確に示しているのが炭素税だ。二酸化炭素(CO2)排出を抑制する政策と経済成長との間には断絶がある。そしてフランスは排出抑制策の政治的未来を占う試金石となっている。フランスは既に、相対的に低炭素の経済を実現しており、2014年時点の国民1人当たり排出量はドイツの半分だ。それにもかかわらず仏政府は、国内経済のあらゆる分野からCO2排出を締め出す政策を推進している。その結果がパリ市街に表れている。
パリ燃料税デモと世界的反乱
気候変動を理由に経済を犠牲にする炭素税、有権者は受け入れず
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