フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、燃料税の引き上げ延期を決めた。政策への反発からフランス各地に広がった抗議デモが勝利を収めた格好だ。エドゥアール・フィリップ首相は4日の記者会見で、燃料増税を6カ月先送りする方針を明らかにした。パリでは1日、反政府デモが激化し、数十年ぶりの大規模な暴動に発展。パリ市内の商業地域や観光地で車が放火されたり、店舗が破壊されたりした。フィリップ首相は「いかなる税も国家の団結を脅かすには値しない」と言明した。抗議デモはマクロン氏が目指す幅広い経済改革を試練にさらしている。2017年の大統領就任以降、同氏が改革で譲歩したのはこれが初めて。フィリップ首相はこの日、財政政策や地方の公共事業を論じる機会を設けることを提唱。燃料税引き上げを凍結する6カ月間、天然ガスと電気の料金も据え置く考えを示した。