そのオリジナル社が今夏、国内外で同時にサービス開始予定なのが、無料スマホアプリの「ボディグラム」(写真)だ。
スタートトゥデイの場合は、まずはゾゾスーツを着用し、スマホで12方向から写真を撮影するといった手間が必要。しかし、オリジナル社の場合、ボディグラムのアプリを開き、普段着のまま正面と横向きの計2枚の写真を撮影して送信するだけ。あとはAIが周囲の背景から被写体のみを自動で抽出し、40カ所を計測して数値を表示する。
「すでに計測の誤差は1センチメートル程度。機械学習により1年以内に誤差0.5センチメートル以下になる」(ジン・コー・オリジナル社CEO)という。
同社は今後、ボディグラムをネット通販企業やアパレル企業などにライセンス供与する方針で、「日本人の約半数に使ってもらいたい」
と、一気に普及を目指す考えだ。
不良在庫の悪循環を
断ち切ることが喫緊の課題
近年、ファッションテック企業の参入が相次いでいる背景には、経営環境の変化がある。
国内アパレル市場は長らく低迷し続けてきた。1990年前後で約15兆円あった市場は、足元では約10兆円と、3分の2に縮小。一方、供給量は20億点から40億点へ倍増している。低価格の輸入商品の増加などにより、衣料品の購入単価は91年に比べて約6割に低下した(下図参照)。