企業活動に革新をもたらすブロックチェーンの可能性をもてはやす記事などが多い。決済を安全にし、透明性やデータ共有の効率性を高め、原産地の特定に役立つと指摘されている。だが企業の情報技術(IT)担当幹部がみな納得しているわけではない。一部はブロックチェーンが今年、自社事業にこれといった価値を生み出さなかったとし、来年も期待外れに終わるのではと考えている。例えば米宅配・航空貨物大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)では、ブロックチェーンを使った複数の概念実証(POC)テストを行っているが、大きなメリットがあることはまだ証明できていない。UPSの最高エンジニアリング・情報責任者のフアン・ペレス氏は、ブロックチェーン技術に適した事例を特定しようとしている。9月には、サプライチェーン向けに金融・保険サービスを提供するUPSキャピタル部門で、ブロックチェーンを利用して保険請求を管理・追跡する実験を行った。
ブロックチェーン、2019年も期待外れか
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