ミーティング中に上司から「あなたはどう思う?」と話を振られたり、自発的に発言するよう言われたり、もしくはオフィス内での集まりで乾杯の音頭を取るよう頼まれることがある。そんな時、あなたはどうなるだろうか。その場で固まってしまう、とりとめもなく話してしまう、脂汗が出てきてしまう――。職場では突然、ちょっとした口上や乾杯の音頭、その場の話題への反応を求められることの方が、事前に準備するプレゼンよりはるかに機会が多い。「米国人が抱く恐怖の対象」についてチャップマン大学が毎年行っている調査によると、こうした準備なしのスピーチは4人に1人が恐怖を抱いている。ヘビやストーカー、クモよりも怖いということだ。準備なしのスピーチをうまくできないと、キャリアに深刻なダメージが及ぶ可能性もある。スタンフォード大学経営大学院で組織行動学の講師を務めるマット・エイブラハム氏は、以前の職場で元同僚が力強いプレゼンを行うのを見た。しかし、質疑応答に入ると「彼は凍りつき、答えは矛盾していて要領を得なかった」。その元同僚は評判が失墜し、ほどなくして会社を去ったそうだ。