日本は過去数十年にわたり、物価押し上げに苦戦している。ここにきて、市中の物価と同様、日本株にも割安感が強まっている。足元の株式相場の混乱により、日経平均は昨年10月につけた約27年ぶりの高値から20%値下がり。2019年の大発会となった4日も、正月休み中の海外市場の下げに追随し、2.26%下落して新年初日の取引を終えた。相場急落により、向こう1年の企業利益見通しで見た日経平均株価のバリュエーションは、過去6年余りで最も割安となり、安倍晋三氏が首相に返り咲く直前の2012年11月の水準に戻った。欧米の株式もここ最近、同じ尺度で割安感が出ているが、日本ほどではない。ファクトセットによると、ユーロストックス指数、S&P500種指数は過去6年の水準をなお10%、22%それぞれ上回っている。