焼死のほとんどは「煙」が原因、火災から命を守る基礎知識(上)白い煙が立ち込める戸建住宅の火災現場(出典:写真AC)

夜間、住宅街の一角にある民家から出火し、その家に住む家族全員が焼死する、といった痛ましい事故は現代でも多く発生しています。一言で「焼死」といっても細かく分類でき、またはそれらが複合的に襲ってくる、など様々なケースが存在します。今回は、火災時に人の命に最も影響する「煙」への対処について、リスク対策.comの人気コラム熊谷仁氏の『防災オヤジーズくま隊長の「知らないとキケンな知識」』より紹介します。

 これまで過去数回にわたり、火災時の初期消火の必要性を解説してきました。

 まとめると、火災に関しては以下の2つのことが言えそうです。

1.大規模災害時には公設消防隊は速やかに対応できないので、災害現場にいる人々が対応せざるを得ない。
2.自然災害(津波、洪水、火山噴火、豪雨等々)は人間の力ではコントロールできないが、唯一火災だけは人間が対処して制圧できる。

 今回は、火災時に人の命に最も影響する「煙」への対処について考えていきましょう。