1年以上前から母親の元婚約者との金銭トラブルが報じられてきた小室圭さんが、ようやく出した声明文。しかし、多くの国民はイラッとさせられたのではないか。一体、この声明文のどこがマズかったのか、そして、小室さんが出すべきだった「模範声明文」を考えてみよう。(ノンフィクションライター 窪田順生)

火に油を注いだ
「弁護士広報」の失敗例

炎上声明文を発表してしまった小室圭さん
弁護士は法廷闘争には強いが、世論や報道のトレンドには疎く、危機管理広報には向かない。小室さんのみならず、企業でも弁護士広報に頼って炎上の憂き目を見るケースは少なくない Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

「火に油を注ぐ」というのは、まさしくこんな状態のことを言うのだろう。

 1年以上前から週刊誌で母親の金銭トラブルを報じられていた小室圭さんが、ようやく「声明」を発表。その中で「解決済み」だと主張する小室さんに対して、トラブル相手である、母親の元婚約者がメチャクチャご立腹なのだ。

 この現象について、企業や有名人の報道対策アドバイザーを多く務めた経験から言わせていただくと、「弁護士広報の典型的な失敗例」という言葉に尽きる。

 小室さんのような有名人や政治家、あるいは大企業が何かしらの疑惑やスキャンダルが持ち上がると、まずすがるのが顧問弁護士などの「法律のプロ」であることは説明の必要もないだろう。法廷闘争も見据えた問題の場合、どういうことを主張して、どういうことを口走ると不利になるのかというアドバイスは必要不可欠だからだ。

 それはそれでまったく正しい対応である。しかし、そこで記者会見や反論声明などの、いわゆる危機管理広報まで弁護士センセイが仕切ってしまう――つまり「弁護士広報」をおっぱじめると、たいがい事態はややこしくなる。というより、筆者の経験上、炎上してしまうケースが圧倒的に多い。

 弁護士さんは法律のプロではあるのだが、「情報戦のプロ」ではない。そのため、世論や報道トレンド、そしてメディアのリアクションなどを無視して、法廷で相手を論破する時のような独善的なもの言いや、世間の共感を得られない、形式的なコミュニケーションへ走りがちだからだ。

 小室さんの声明文からも、そんな「弁護士広報」の匂いがプンプンと漂う。もちろん、それは小室さんが弁護士を目指して日々勉強中ということも無関係ではないだろうが、その独特の「話法」と「論理展開」には弁護士の入れ知恵が見え隠れする。