「がんでも、障害年金がもらえるの?」と思うかもしれないが、障害年金は、その障害によって「生活や仕事に制限が出ている」人の経済的リスクをカバーするものだ。がんによる障害で、日常生活での行動に支障が出たり、仕事ができなくなったりした場合は受給できる可能性がある。

 実際に受給できるかどうかは、障害の原因となった疾病ごとに認定基準が決められており、がん(悪性新生物)による障害認定は、次の3つとなっている。

ア 悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む。)によって生じる局所の障害
イ 悪性新生物そのもの(原発巣、転移巣を含む。)による全身の衰弱又は機能の障害
ウ 悪性新生物に対する治療の効果として起こる全身衰弱又は機能の障害
(「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」第16節「悪性新生物による障害」より)

 つまり、がんそのものによる特定部位の障害や全身の衰弱、機能障害だけではなく、抗がん剤や放射線などの治療の副作用によって全身が衰弱したり、機能障害が出たケースでも、障害認定の対象になるということだ。

 抗がん剤や放射線による治療の副作用は、その人の症状や体力、使用する薬剤の種類などによって、表れる症状に個人差がある。毎朝、放射線治療を受けてから出勤し、元気に仕事ができる人もいる一方、倦怠感、嘔吐、下痢、貧血、体重減少などの症状が出て、働くどころか、日常生活を送るのも難儀な人もいる。

 病気でも社会参加することは生きる励みになる半面、ひどい副作用があるのに経済的理由から無理して働くのは辛いだろう。障害年金を受給できれば、お金の不安を取り除いて治療に専念できるので、治療による副作用でも障害年金がもらえる可能性があることは、ぜひとも覚えておきたい。

 とはいえ、がんになれば、誰でも障害年金をもらえるかというと、そう簡単なものではない。とくに、抗がん剤や放射線などの治療による副作用は、他人からは分かりにくく、それが受給の厳しさにつながっている面もある。

 障害年金の支給判定は書類のみで行われており、とくに重要なのが「医師の診断書」だ。医師にどのように診断書を書いてもらうかによって、受給の可否が変わってくるからだ。

 次回は、がんで障害年金を請求するときの診断書の効果的な書き方について解説する。

(フリーライター 早川幸子、取材協力/社会保険労務士 石田周平氏)