一部の投資家は株式相場のボラティリティーについて、米連邦準備制度理事会(FRB)の債券ポートフォリオ縮小が原因だと批判している。こうした批判はFRB当局者やエコノミストを困惑させるばかりだ。なぜなら、FRBが積極的に介入した米国債および住宅ローンの2つの市場では、混乱が広がる証拠がほとんど見られないからだ。FRBは保有する4兆ドル(約437兆円)規模の米国債と住宅ローン担保証券(MBS)について、満期を迎える債券の再投資を減らすことで保有資産を縮小している。毎月最大500億ドル縮小する計画だが、ここ数カ月は約400億ドルの縮小となっている。FRBが2017年に資産縮小計画を発表した際、市場はほとんど動揺しなかった。ところがここ2~3カ月、スタンリー・ドラッケンミラー氏をはじめとする複数の著名投資家が、資産縮小は市場のボラティリティー復活の大きな要因になっていると指摘。株価が乱高下する中、ドナルド・トランプ大統領はFRBによる資産縮小の減速あるいは中止を望むと言明した。