リストラ大国だった米国で
「やはりヒトが大事」の原点回帰

 具体的には、産業構造がシフトしていく中で、アメリカではどんなことが起きていったのでしょうか。

バーシン まず、1社で長く働き続けるという当時の製造業に適した働き方から、サービス業に適した柔軟な働き方に移行すること自体は正しかった。その間、制度と実際の働き方に歪みが生まれるのも仕方がないと思います。結果論ではありますが、1980年代後半からの様々な人事に対する考え方の変化によって雇用の流動性が生まれ、そしてその流れの中で現在のアメリカの経済成長を支えるような新しいイノベーションが生まれたといっても過言ではないです。

 会社単位では、どんな考え方の変化が起きていたのでしょうか?

バーシン サービス業は、ヒトが最大の資産である企業であるということが再認識され、より大きく人的な、そして金銭的なリソースを「ヒト」に投資するようになりました。これまでの製造業の発想と違い、優秀な人材が最大のアウトプットを出せるように、企業が環境や制度を構築するようになりました。

 そのような流れの中で、従業員のデータを可視化して、潜在能力を発掘するためのタレントマネジメント領域が注目されるようになってきました。画一的な人事管理ではなく、1人ひとりに適した丁寧な人材活用マネジメント。これは大きなHR領域でのトレンド転換となりました。

 旧態依然の画一的な人事管理から脱却し、1人1人に適した人材活用を行う、というのは言葉の響きとしてはよいのですが、具体的には何が変わってきているのでしょか。