ジョシュ・バーシン氏
ジョシュ・バーシン(Josh Bersin)
Bersin by Deloitte(バーシン・バイ・デロイト)で、HRテックを通じた人材・組織戦略の立案や実行を手がける

バーシン まずは、マネジメントする企業と従業員の間に、どのような変化が訪れたかを考えてみましょう。昔と今では、インターネット技術の発達により、コミュニケーションの量と質と圧倒的に違います。

 部下と上司、また同僚同士で交わされる情報や頻度は、昔と比較になりません。目標設定、やりがい、評価、人材開発などの情報が常に流通しています。これらの情報を、企業が把握できるかどうかが重要になってきます。

 そして、従業員は「会社だけではなく、社会・世間ともリアルタイムで繋がっている」ということです。経営陣が一方的に発信するメッセージだけで、従業員をコントロールすることは難しい。

 企業にとっては、どんなことが重要になってくるのでしょうか。

バーシン この事態を避けるのではなく、社内外での評価をリアルタイムでフィードバックすることを仕組み化しようとしている企業が増えていますね。リアルタイムにデータを集約・可視化したり、フィードバックを分析し、課題を抽出したりできるようになると、飛躍的に会社として成長します。入退社のデータと社内評価のデータを紐づけながら分析してみたり、採用時の評価と入社後のデータを比較したりしながら、どのような従業員を採用すべきか否かなどを議論することは有効です。

 すでに従業員が会社のために働く時代は終わっており、会社が従業員のためにどのような環境や業務を設計できるのかという時代になっています。従業員データをどんな目的で設計し、どんな手法で可視化していくのかを、経緯者がどこまで理解でき、主体的に行動に移せるのかが、今後の経営の差になっていきます。

マーケットに接している人に
常に責任と自由を与えよ

 ビズリーチ社内では、世界のリーディングカンパニーを参考にして、数年前から「1 on 1」というリアルタイムフィードバックの仕組みを導入しています。1 on 1では、半期や四半期ごとの評価面談などだけでは知ることができない、従業員の本質について知る機会になっています。会社全体で取り組む壮大なチャレンジだと思っていますので、引き続き、経営者として、この活動には投資を続けたいと思っています。