スポーツで考えるとわかりやすい。コーチは選手の能力を理解しながら、成果を出すために、選手に適格な指導をしたり、指示を出したりしなくてはならない。また、どんな一流選手でもコーチが存在するように、自身のパフォーマンスの最大化にはコーチを必要としている。コーチと選手は、お互いがお互いを信頼すればするほど、より優れたコラボレーションが生まれ、結果的にはより大きな成果が出しやすくなる。

 我々は、企業と従業員の関係性向上にテクノロジーを活用すれば、従業員のデータが可視化され、より生産的なコラボレーションに繋がると思っています。今、世界のリーディングカンパニーは、皆この方向に向かって準備をしているし、企業間のパフォーマンスは高まるでしょう。

「企業は、従業員のために何ができるか」というコンセプトに変化していく時代ですね。我々も、時代に置いていかれないように、全員のマインドを変えていきます。

社員にとっての適材適所に
会社の役割はどう変わるか

 日本では、今企業と従業員の関係が根底から変わろうとしています。80年代のアメリカほどの危機感やスピード感ではありませんが、確実に働き方の価値観が変わりつつあり、雇用の流動化が進んでいます。特に20代、30代を中心に、今よりもよりよい環境があれば、積極的に転職もしていきます。そのような環境の変化が起こるなか、企業の皆さんにどのようなアドバイスを送りたいですか。

バーシン シンプルな回答ですが、「この会社で働き続けたい」と感じてもらうだけの魅力を提示し続けないといけません。そもそも定年まで会社が生き残っているかわからない時代であることを、十分に認識した上で、今この瞬間、この会社で働くことよるインセンティブを明確にしなくてはなりません。

 仕事を通じて成長を実感できる機会と環境がある会社を、従業員はそんなに簡単に辞めません。しかし、ヒトも事業も会社も、時間の経過とともに変わっていきます。その移り変わりに合わせて、企業が従業員の気持ちや想いを正しく把握して、適材適所となる仕事を用意できるか否か、また中長期的な会社の戦略と個人のキャリアがマッチするのか否かなどが、両者の継続的な関係に大きく影響するのはごく自然なことです。

 そうですね。この両者のエンゲージメントを維持できるかは、経営そのものになっていくでしょうね。また、企業が事業としてどんな課題を選び、どのように解決をしていくのかなど、これまで経営者としてあまり考えてこなかったことが注目されているのも、大きな変化です。