仮想現実(VR)が分娩(ぶんべん)室にも採り入れられるかもしれない。VRを使用して分娩中の痛みや不安を軽減する研究が行われており、一部の医師や病院は既に提供している。VRは、一般に分娩や出産の痛みを緩和する最も効果的な方法とされる痛み止めの注射や硬膜外麻酔に代わるものではない。しかし、痛みがそれほど激しくない分娩初期の選択肢になる可能性がある。米シーダーズサイナイ医療センター母体胎児医学部門のフェローで、現在出産時のVR活用に関する研究を主導するメリッサ・ウォン氏は、「女性たちは陣痛に別の方法で対処することに関心がある」と話す。VRは、女性が「通常であればコントロールが難しい状況をある程度コントロールする」手助けができる可能性があるという。