あなたは、子どものころからの友達と、大人になってからの友達、どちらが多いだろうか。同じように社会生活を送っていても、友達付き合いは意外に差があるのが実情かもしれない。大人の「友達事情」を探る一環として、30歳を過ぎてからできた友達ってどんな人かを聞いてみたい。(取材・文/フリーライター 鎌田和歌)
以前、知人とお酒を飲みながら話していたときのこと。彼女がサラリと、「小中の友達はいない」と言った。「小中」とは、小学校・中学校のこと。話題がすぐに流れ、なぜその時代の友達がいないのかを聞くことはできなかったが、よくよく考えてみると、どの時代の友達とどれだけ長く付き合っているのか、今一番親しく付き合っているのはいつ出会った友達なのか、それは人によってかなり差があるのではないか。
同じ会社で机を並べている同僚でも、彼らがどんな友達ヒストリーを持っているのかは、当然ながら全く違うはずだ。今回は、「30歳を過ぎてからできた友達」を1つのポイントとして、社会人たちの交友関係について聞いてみたい。
社会人になってからの勉強会で意気投合
Aさん(32歳男性/独身)は、都内のIT企業勤務。新卒で入社した日用品メーカーから27歳のときに転職した。そんなAさんが現在親しいのはどんな人たちなのだろう。
「今一番よく会うのは、社外のワークショップなどで知り合った友人たちです。転職を考え始めた頃から、仕事帰りにビジネス系の勉強会やトークセッション、ワークショップに足を運ぶようになりました。
仕事もそこそこ忙しかったですが、会社と家の往復の毎日で『今のままでいいのか』という焦りがあったんです。何も見つからなくてもいいからとにかく行動してみようと思い、最低でも週に1回はどこかへ顔を出すようにしていました。
そのうちに、『前にあのワークショップでも会いましたね』という人が増えていって、1人知り合いができればその人の知り合いともまた知り合って……と顔見知りが増えていきました」