欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の期限が目前に迫れば英国の心構えもはっきりするとの考えは、甚だ間違いであったことが分かりつつある。3月29日のブレグジット期限が迫る中、英国の政治的混迷はさらに深まっている。保守党のテリーザ・メイ首相は26日、自ら取りまとめている離脱協定案の修正案について、議会の承認を得るため「土壇場」(これまでに何度も土壇場はあったが)の努力を示した。議員らは、メイ首相とEUでの合意案に関する2回目の投票を3月12日に行う。1月に行われた1回目の投票では、合意案は圧倒的多数で否決されていた。合意案が再び否決された場合、英議会は合意なき離脱の是非を巡る採決を実施する。合意なき離脱が否決された場合は、EUとの交渉期間を数カ月延長し、ブレグジットを6月もしくはさらに先まで延期する案について採決が行われる。こうした一連の動きが合意なき離脱の可能性を低下させるとの見方が広がり、英ポンドは26日の取引で急伸した。
【社説】優柔不断なブレグジットが意味するもの
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