タクシー配車アプリが激戦のさなかにある。最大手のジャパンタクシーを筆頭に、ディー・エヌ・エーや、中国・滴滴出行、米ウーバーなどの外資勢が2018年に一斉にタクシー配車に乗り出した。一方で、規制や慣習に縛られるタクシー業界の課題も浮き彫りに。配車アプリ市場の最前線をリポートする。
配車アプリ大乱戦 ジャパンタクシー、MOVなどの国内勢が優勢PIXTA

 「タクシーの配車を一緒にやりませんか」。ライドシェア企業の中国・滴滴出行(DiDi)の担当者が、国内タクシー最大手の第一交通産業の元にやって来たのは、今から2年以上も前のことである。孫正義氏が率いるソフトバンクグループがDiDiに50億ドルもの大金を出資し、日本で合弁企業を立ち上げるよりも前から、DiDiは日本市場を虎視眈々と狙っていた。