各部署がそれぞれの課題を認識していることが分かった後、私が行ったのは課題に優先順位をつけて、予算のやりくりをすること。まずは、施設の修繕とプロモーションの強化に取り組みました。

ピューロランド歌舞伎
歌舞伎の演目では、豪華な衣装にも注目だ

 テーマパークはコンテンツとサービスとプロモーションが何より大切です。ピューロランドはインスタ映えを演出しやすい施設なので、SNSが盛り上がる今の時代の流れも後押しになりました。また、ショーでは松竹株式会社様のご協力もあり、歌舞伎の演目が可能になり、いろんな相乗効果で、2014年には平日に約500人だったお客様が今では約2200人にまで増加しています。

 私は社員をぐいぐい引っ張っていったことはありません。みんなどう思いますか、話し合いましょうと促し、予算の優先順位を決める。そして元気のない人がいれば、「大丈夫?」と声をかけるだけ。最強のリーダーでもなんでもありません。実はピューロランドに来た当初、スタッフに「みなさんのお母さんになりたいです」と宣言したことがありました。当時は笑われたと思いますが、結果的にはそうなれたのではないかと思っています。

なぜ「朝礼」を
1日12回も行うのか

――以前は「館内のスタッフに笑顔がない」という課題もありましたが、どのように改善していったのですか?

 サンリオピューロランドで働くスタッフ全員に毎日参加してもらうため、1日12回の各10分の朝礼を行っています。12回も行うのは、スタッフが多い時で約200人に上り、出勤時間がバラバラだから。講師は日によって異なり、商品販売、レストラン課など、いろんな部門の社員が1人で行います。海外のお客様も増えていますから英語や中国語の受け答えをしたり、ライブエンターテイナーがお客様と踊るプログラムを教えたりすることもあります。

 私が着任した当初は、スタッフに笑顔がないだけでなく、接客スキルがあまり身についていない印象がありました。お客様と接点があるスタッフは、ほとんどがアルバイト。お客様にとって出会ったスタッフがベテランか新人かは関係ありません。ある程度、統一されたサービスを提供しなければならないものの、最初や半期に1度の研修だけで身につけるのは難しい。そこで、2014年9月の私がピューロランドに入ってすぐ、「ウォーミングアップ朝礼」という形で、この研修を始めました。