世界最大の旅客機である欧州エアバス・グループの「A380」の消滅で、航空機業界にはスーパージャンボ級の空白が生まれる。その穴を埋める競争が始まると投資家は予想して良いだろう。A380(座席数555)の数少ない受注残のうち、かなりの部分がキャンセルされたためだ。エアバスには苦い薬だが、同時にチャンスでもある。エアバスはA380への影響を警戒し、これまでは最新鋭大型旅客機「A350」の超大型版の開発を避けてきた。だがA380の打ち切りが決まった今、座席数400という若干異なるニッチ市場を追い求めるゴーサインが、ようやくトゥールーズ本社の開発部門に出る見込みだ。多くの航空会社で今後5年、米ボーイングの最も売れ筋のワイドボディー(広胴)機の航続距離延長版「777-300ER」(座席数396)が退役する。1990年代に生産された777-300ERの多くが既に入れ替えられている。ボーイングは来年には新型の「777X」(座席数425)の納入を開始する。777Xには、既に300件余りの注文があった。
エアバス「A380」の消滅、新たな戦いの火ぶた
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