2016年米大統領選へのロシア干渉疑惑に関するロバート・モラー特別検察官の捜査が間もなく終結するといわれている。モラー氏がトランプ大統領や大統領に近い関係者による犯罪行為を指摘するかどうかは誰にも分からない(関係者の中には犯罪行為への関与が既に発覚したものがいるが)。とはいえ、最終報告書に描かれる第45代大統領の人物像は当然のことながら、本人にとって都合の良いものにはならないだろう。それでも犯罪行為が指摘されなければ、トランプ氏の支持者はこう言うはずだ。「どうだっていいじゃないか」と。本気で言っているわけではないにしても、こうした考え方は重大な問題である。犯罪者でないかぎり、大統領が悪いことをしたかどうかは重要ではないのか。大統領の品性は重視されるべきものなのか。