あなたが保有する新興国市場ファンドには何が組み込まれているだろうか。ハイリスクで相対的にハイリターンであることの多いそうしたファンドが資産運用業界で爆発的人気を得てから30年が経過した。当初はエキゾチックな投資先だった新興国市場ファンドだが、今や保守的な専門家でさえ優れたポートフォリオの一部であるべきだと主張するようになった。そろそろ、新興国市場ファンドの構成要素を精査し、そのカテゴリーが時代遅れかどうかを考えるときが来たようだ。1980年代の終わりには、それまで第三世界と言われていた地域が金融業界で新興国市場と呼ばれるようになった。伝説的投資家ジョン・テンプルトン氏のような初期の伝道者は新興国市場について、より速い成長をもたらす可能性がある存在として個人投資家や年金基金などの機関投資家を徐々に説得していった。機関投資家にとっては、先進国市場での出来事と関係性の低いリターンが得られるというのが特に効果的なセールスポイントだった。