米連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策が正常に戻ったと考えている。しかし、それは懸念を呼ぶものだ。もし現状が正常だとすれば、経済が異常な状態に陥ってもFRBには貴重な政策手段がほとんどないからだ。2015年以降、FRBは金利を引き上げ、金融危機後の脆弱な経済に対応するべく増やしてきた債券保有高を縮小することで金融政策の「正常化」を進めてきた。FRBは今週、この正常化プロセスがほぼ完了したと宣言した。FRBは年内の利上げを見込まず、来年も利上げはおそらく1回になるとした。バランスシートの縮小は9月末で停止する考えも示した。