マンションを適切に維持していくには 「事後保全」よりも「予防保全」がいい?
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マンション管理には「予防保全」と「事後保全」という言葉がある。“読んで字のごとし”で、予防的に保全するか、あるいは、何かことが起きた後で保全するか、という意味合いだ。一般的には「“場当たり的”な事後保全ではなく、予防保全のほうがメリットがある」といわれているが、それは本当だろうか。(株式会社シーアイピー代表取締役・一級建築士 須藤桂一)

マンションを適切に維持していくには
「事後保全」よりも「予防保全」がいい?

 マンションは適切な時期に、適切な修繕工事を継続して行っていくことで、その価値を維持し、質を向上していくことができる。反対に言えば、マンションの寿命を延ばすためには、建物や設備の定期的な補修・更新は欠かせない。

 マンションの建物や設備に関して、当初の用途や機能、性能を維持するための回復を図ることを「維持保全」という。一方、時代に応じた用途や機能の追加、性能の向上を図ることを「改良保全」という。今回は維持保全について話していきたいと思う。

 維持保全には「予防保全」と「事後保全」という方法がある。もう1つ、「予知保全」という方法もあるが、ここでは予防保全と事後保全に限って説明していこう。

 まず、予防保全とは、設備や機器の故障・劣化が進むのを未然に防ぐために、定期的に部品の交換や補修を行うことを指す。対して、事後保全とは、故障したり劣化が進んだりしたときに、設備や機器の交換・補修を行うことを指す。

 わかりやすく言うと、例えば電球が切れたら、切れた電球をその都度交換することが事後保全で、電球の色や点灯具合を見ながら、一定の時間経過とともに、球切れが起こる前にすべての電球を交換することが予防保全にあたる。

 ウェブサイトなどを見てみると、「対症療法的に劣化箇所を補修するのが事後保全で、劣化が進む前にこまめに補修するのが予防保全。予防保全のほうが、事後保全よりも構造物や設備を長持ちさせて更新時期を先送りすることができ、大がかりな補修も抑えられるので、コスト削減につながる」などと説明しているサイトが少なくない。