3月の米雇用統計の内容が好調だったことで、2月の就業者数の伸び低迷は一時の脱線で、深刻な景気鈍化の始まりを示すものではなかったと、連邦準備制度理事会(FRB)当局者は安堵(あんど)のため息をもらせるに違いない。雇用の堅調な伸びと低失業率は、当面は政策金利を据え置くとした先月のFRBの判断の適切さを裏づけるものだ。言い換えれば、今回の雇用統計は当面の様子見姿勢を維持するのに十分な内容だろう。労働省は5日、先月の非農業部門就業者数の伸びが前月比19万6000人と、1〜3月の月平均の18万人をやや上回ったことを明らかにした。失業率は3.8%と非常に低い水準を維持。平均時給は前年同月比3.2%上昇と、伸びは2月からやや鈍ったが、10年ぶりの高水準近辺にとどまった。