ドナルド・トランプ米大統領はまたしても、経済界の非主流派で自身の政策を支持する人物を連邦準備制度理事会(FRB)理事に指名しようとしている。こうした候補の検討はここ2週間で2人目となる。トランプ氏が検討しているハーマン・ケイン氏(73)は、貧しい出自ながら2012年大統領選で共和党の指名候補争いに名乗りを上げるまでにのし上がった。過去にはカンザスシティ地区連銀の幹部やピザチェーン「ゴッドファーザーズ・ピザ」の最高経営責任者(CEO)を務めたほか、飲食業のロビー団体も率いた経験を持つ。FRBや他の政策に関しては論争を呼ぶ主張を繰り広げ、米国を金本位制に戻すべきだとも論じている。米国は大恐慌を受けて金本位制を停止。その後に復活させたが、1970年代に再び廃止した。エコノミストの間では、金本位制は景気の下降局面でに中銀の政策手段を制約しかねないとする見解が多い。
トランプ氏が推す異色のFRB理事候補、金本位制も主張
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