米労働者に対する薬物検査で、マリフアナ(大麻)の陽性結果が出るケースが増加傾向にあることが最新のデータで明らかになった。背景には、米国内で大麻合法化の動きが広がっていることがある。米国では10州以上で娯楽用大麻が解禁されており、ニュージャージー、イリノイ各州の議会も合法化に向けて取り組んでいる。薬物検査大手クエスト・ダイアグノスティクスが、1000万件の尿、唾液、髪の毛のサンプルを分析した。それによると、大麻の陽性反応は昨年、前年比10%増の2.3%となった。またサンプルの4.4%で、大麻、処方箋が必要な鎮痛薬など合法・違法双方の規制薬物の陽性反応が出た。これは2004年以来の高水準だという。それ以降、コカインやヘロイン、処方箋が必要な睡眠薬、モルヒネなどの麻酔薬の使用の兆候を示す薬物検査の数は大きく減少した。だが検査結果は、米労働者の間で、大麻の使用が着実に増えていることを示している。これにはパイロットや原子力発電所の従業員、電車の車掌など、高い安全基準が求められる職業も含まれているという。
米労働者への薬物検査、大麻の「陽性」結果が増加
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