米携帯電話大手スプリントとTモバイルUSの合併計画に遅延が生じる可能性が出てきたことで、世界の有力スタートアップ企業に資金を投じるというソフトバンクグループの野望が脅かされている。昨年発表されたソフトバンク米子会社のスプリントとTモバイルの合併が実現すれば、ソフトバンクは数百億ドル規模に上るスプリントの債務をバランスシートから切り離し、グループ全体の巨額債務を圧縮できる見通しだ。そうなれば、資金調達に関するソフトバンクの選択肢が広がり、すでに1000億ドル(約11兆2000億円)規模の投資ファンドを運営する同社の投資余力をさらに高めることができる。17日の東京株式市場で、前日に19年ぶり高値をつけていたソフトバンクは1.5%下落して終えた。米司法省の弁護士が全株式交換方式によるスプリントとTモバイルの合併計画について、競争を阻害するとして懸念を示しとのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道が売りを誘った。
ソフトバンクの財務に打撃も、米子会社合併に暗雲
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