桑津 人の数は確実に減っているのですから、QOLを上げるためには、AIのサポートを入れざるを得ない。コンビニなどで人手が足りないなら、お店を閉めるよりは、無人店舗があるほうがよほどいいでしょう。どの分野も人が足りないのだから、介護に「ラストワンタッチ」のための人を寄せて、ほかは効率化する、などの判断が必要です。

 無人化することで、従来と違うサービスレベルになるのが許せないとは傲慢です。デジタル革命が起こっているのだから、なんでも人手をかけて丁寧にという、古い規範は破壊せねばなりません。

 世界を見回してもお手本はどこにも転がっていません。日本が一番の高齢化の最先端なので、高齢化による人手不足には、日本が自分で答えを見つけていくしかないのです。

秋山 「労働は神聖なもの」と思いすぎないで、代替できるものはどんどんしていけばいいと思いますが、AIやIoTの技術を取り入れていけばこんなに便利になるという事例はありますか。

バス停もスケジュールもない
「未来のバス」の姿

桑津 バスを例に、未来の話をしましょう。地方都市などが高齢化して、バスの運行が赤字になるところがたくさんあります。バスは決められた経路を通るのがこれまでの常識でしたが、これを自動運転に切り替えて、IoTで近隣の人の情報と連携すると、バスは、人々の希望を吸い上げて、登録点をランダムに移動して、もっとも効率的な経路で、人をピックアップしていくことになります。

 人が「〇〇行きのバス」を選んで乗るのではなく、バスが人を選ぶようになる。バス運行の概念から、バス停とスケジュールがなくなるのです。

秋山 乗り合いタクシーみたいな感じになるのですね。シェアリングに関してはまだ規制がありそうですね。