小林一雅会長
Photo by Hiroki Kondo

「アンメルツ」「ブルーレット」「サワデー」といえば、誰もが知っており、今なお、小林製薬を代表するロングセラー商品である。これらのヒットで小林製薬は卸売業からメーカーへと転換し、会社が成長するきっかけとなった。これら商品がどのように生み出されたのか。「生みの親」でもある小林一雅会長に当時の様子や苦労などを語ってもらおう。

“ヨコヨコ”にした途端
売れた「アンメルツ」

 1966年、小林製薬は「アンメルツ」のテスト販売を開始し、翌67年には全国で売り出した。私が留学中にアメリカで原型となる商品を目にし、「これは日本で売れる」と持ち帰ったアイデアだった。

 メーカーとしての新たな門出を飾ったこの商品は、社内で特に反対する者もなく、すんなりと商品化できたものの、売り上げは当初思ったほど伸びなかった。

 売れ出したのはそれから8年後。肩や腰などの使用部位に塗りやすく、かつ持ちやすいよう容器の頭の部分を曲げ、「アンメルツヨコヨコ」のネーミングで売り出してからだ。ストレートだった容器の首を横に曲げたのも、“ヨコヨコ”と名付けたのも私の発案である。売り上げは一気に倍に増えた。

 発売前の企画会議では「ばかにしたような名前だ」との批判も出たが、私は引き下がらなかった。斬新で、分かりやすくて、小林製薬らしい。この名前も商品の売り上げ拡大に貢献したと思っている。アンメルツヨコヨコの発売以来、他のメーカーからも容器をヨコに曲げた商品が続々と発売されたが、この名前のおかげで、容器の首を最初に横にしたのは小林製薬だと示すことができている。「ヨコヨコ」と名付けて本当によかった。

医薬品から日用品へ
「ブルーレット」で初挑戦

 69年には、水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」を発売した。こちらは医薬品であるアンメルツとは違い、開発に取り組む前から役員たちの猛反対にあった。