多くの人たちは仕事からの引退、つまりそれまで数十年間の懸命な働きに対するご褒美を楽しみにしている。しかし、他の多くの楽しみと同様、退職は健康に害を及ぼしかねない。死につながるリスクさえある。そんなことはあるのだろうか。より長く働く方が健康に良いことなどあるのだろうか。結局のところ、多くの人は早くに引退することを夢見て、それに向けて計画を立てている。激務でストレスの多い仕事は人々を疲弊させ、健康にも悪い。一方で、引退すればリラックスでき、自分自身を再活性化できる。自らの情熱に従い、人生を豊かにする趣味を追求することも可能だ。しかし、引退を急ぐ時、われわれはそのマイナス面を見落としている。特に長期にわたる影響だ。多くの退職者は不健康な行動パターンにはまる。座ってばかりで、テレビを見過ぎるようになる。食べ過ぎや飲み過ぎに陥り、たばこも吸い過ぎるようになる。仕事の充足感がなくなれば行き場を失った感覚になり、意気消沈することもあるだろう。職場の同僚との仲間意識がなくなれば、社会的に孤立するリスクもある。仕事で得られていた知的な刺激がなくなれば、認知低下が進むかもしれない。
早期引退は健康に悪いか 再考すべき理由
不健康な行動パターンや社会的孤立などマイナス面も
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