ドナルド・トランプ米大統領が中国に対し関税を巡る圧力を強めたことで、中国の習近平国家主席は厳しい立場に追い込まれている。米政権に屈したとの印象を与えることなく、いかに通商交渉を継続しつつ中国景気を下支えしていくかという、難しいかじ取りを迫られることになる。トランプ氏が5日、ツイッターで突如、対中関税引き上げを予告したことで、今週予定していたワシントン訪問での交渉妥結を目指していた劉鶴副首相(経済担当)主導の中国交渉団は不意を突かれた。関係筋によると、中国指導部は6日、交渉団の派遣取りやめを検討した。中国はこれまで脅しの下では交渉しないとの立場を示しており、従来の方針を堅持した格好だ。外務省の耿爽報道官は6日、中国の交渉団は依然として「訪米して協議を行う準備を進めている」と説明したが、いつ米国に出発するのかや、劉氏が引き続き交渉団を率いるのかについては明らかにしなかった。
トランプ関税で習氏が窮地に、妥結か弱腰批判か
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