中国景気がようやく底入れも、回復力は弱そうな理由
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経済指標に見る中国経済の底入れ
輸出と工業生産が急回復した背景

 3月末から4月初めに発表された中国の経済指標は、落ち込みに歯止めがかからなかった中国経済が、ようやく底入れしつつあることを示した。

 注目されたのは、3月の製造業PMI景気指数が50.5と、4ヵ月ぶりに景気判断の分かれ目となる50を上回ったことだ。同PMIは昨年12月、およそ2年半ぶりに50割れを記録し、今年2月には3年ぶりの低水準となる49.2まで低下していた。

 中国経済の要ともいえる輸出を取り巻く環境は、米中貿易戦争や世界経済減速もあって悪化傾向を辿ったうえ、GDP比で40%程度まで拡大し経済の柱へと順調な成長を見せる個人消費は、昨年秋頃から失速気味となっていた。中国政府は昨春、金融緩和や減税などの景気浮揚策を打ち出していたが、一方で引き続き過剰設備や過剰債務の圧縮を押し進めたこともあり、景気浮揚策は効果を全く発揮してこなかった。

 改善を示した経済統計から推察すると、景気対策(インフラ整備などの公共投資)の効果がようやく出始めてきた可能性が高い。ただし、例年3月前後の中国の経済統計は、春節の影響で実体から乖離した数字が出やすい。今年の場合、輸出は前年同月比14.2%増と、前月の同20.8%減から急反発したが、これは実体から乖離していると考えられる。

 なぜなら、中国の輸出を取り巻く環境に大きな変化がないためだ。実際、輸出に先行する製造業PMIの輸出受注判断DIは、昨年6月以降、判断の分かれ目となる50を割り込んだままであり、輸出が増加傾向を辿り始めたとは考えにくい。

 輸出と同じように急回復した統計に、工業生産がある。3月の工業生産は前年同月比8.5%増と、1-2月の同5.3%増から大幅に伸び率が加速し、2014年7月以来の高い伸びを記録した。