今から数年後、仮想現実(VR)は日常生活に不可欠なものになる可能性がある。ヘッドセットや専用メガネを装着することで、遠く離れた外国の会議に出席したり、米プロフットボールの王座決定戦「スーパーボウル」のサイドラインに立ったりできるかもしれない。素晴らしいことに思えるが、今はまだそうした段階には至っていない。筆者はここ1週間ほど、VRヘッドセット「Quest(クエスト)」を装着し、リズムゲーム「Beat Saber(ビートセーバー)」を自宅の居間やサンフランシスコの通りなどあらゆる場所でプレーした。クエストは、米フェイスブック傘下のオキュラスが開発したヘッドセットで基本価格は400ドル(日本では4万9800円)。全ての装置がヘッドセットに組み込まれているため、その他の機器は不要だ。ゲーム用PCを購入したり、壁に動作追跡用の発信機を設置したりする必要もなく、ケーブルにつまずくこともない。ヘッドセットをかぶり、2つのコントローラーをつかめば、すぐに仮想世界に飛び込める。