今週起きた米中貿易交渉の突然の悪化は、世界1位と2位の経済大国間の断裂という、これまで想像しがたかった事態が起きる可能性を高めた。交渉が最終的に合意するかどうかにかかわらず、相互の不信と戦略地政学上の対立が政治関係、個人間の関係にまで浸透する中で、両国経済の何十年間にもわたった融合の流れは、逆方向に向かいつつあるように見える。その兆候は増えている。靴、カメラ、iPhone(アイフォーン)などのメーカーは、中国以外での生産を検討している。米当局者らは、中国の投資家に対し、米国の新興企業の持ち分の売却を強いている。中国の科学者らへの米国入国ビザの発給は遅れている。
ほころぶ米中関係、分断はどこまで拡大するか
コストなどに影響されていた貿易の流れは次第に政治的優先度を反映するようになってきた
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