――筆者のロバート・ゼーリック氏はジョージ・W・ブッシュ大統領の下で米通商代表部(USTR)代表、国務副長官となり、その後、世界銀行総裁を務めた。 ***  取引が得意なドナルド・トランプ米大統領の対中政策は、関税攻勢に依存している。彼は、これが大きな貿易合意につながると語っている。トランプ氏は危機を作り出し、人々は彼が手を緩めると安心する。しかし、現実の米中関係は別のアプローチを必要としている。  米国の対中姿勢は、6つの不満を総合的に反映している。第1に、米国民は、貿易と投資に関する中国の対応に互恵の精神が欠けていることを批判している。